[報告]第7回甲子園教会での祈祷会に際して
皆様、本日もお忙しい中、私達のことを覚えて集まっていただき本当にありがとうございました。
長女理希も今月14日に1歳の誕生日を迎え、毎日元気に動き回っています。理世も週1回の看護学校の「心理学」の授業が終了し、心配して頂いていた私の皮膚疾患・薬剤性の副作用も治り、おかげさまで家族3人元気に生活しております。
早いもので来月8月いっぱいで、第1期目が終了いたします。9月には帰国、10月からは全国で報告会まわりが始まります。皆様と直接お話しできる日を楽しみにしております。
6月末にJOCSより畑野・川口が2期目継続等の話し合いのためチャンドラゴーナにまいりました。前回の祈りの会に寄せたレビューに対する思いは、正直なところ今も錯綜していますが、2期目の展開にかけようと決心いたしました。おかげさまで無事、スティーブン院長との合意も成立しました。
7月12日よりJOCSの会員ツアーの9名がCHCに来られました。年齢幅も大きかったのですが、満足できる内容だったと思います。同時に私自身も、他のツアーとは違って「支えられている」思いに、強く勇気づけられました。
今週は引き続き、昨日まで「IVAの会」の方々がCHCを訪問されました。
本日、日曜日は、ここから車で1時間ほどの所にあるモハムニ母子寮で健康診断です。
ここは、以前2代目になる福井住職が運営していましたが、昨年亡くなられ今は、日本人のサポーターが継続を模索中です。私も赴任時より時々訪問していました。
亡くなられる前に相談していた定期健診が、今回やっと実現します。
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例によって最初にバングラの政局等と私どもの近況をお話しいたします。
政局は、相変わらずケアテイカーと呼ばれる選挙までの臨時政府が継続しています。12月の選挙のための住民ID登録が進んできています。
CHT(丘陵地帯)の軍の統制は相変わらずです。以前より外国人入域チェックはきつくなっています。反面、これまで許可されていなかった携帯電話のネットワークがCHTに伸びました。
プロジェクトは、順調です。マラリア早期診断早期治療がスタートしました。HIV/AIDSに対してはパンフレット・スッテカーを作成し、リスクグループ(長距離ドライバーやリクシャワラなど)への啓発セミナーは継続中です。また、差別の問題やHIV理解を含めた啓発劇を作り上演中です。
モバイルチーム(巡回医療チーム)も順調に、4地区7箇所のモバイルクリニックで定期診察を継続しています。
BMW(2ヶ月のトレーニングを受けた村に住んで保健師のような仕事をする既婚女性;ヘルスワーカー)は、4地区すべてで通常業務継続中です。BMWたちは、自分の住む村で簡単な医療相談に応じ、実態調査を継続中です。マラリアの検査キット、薬の配布が始まりました。
啓発活動の方は、小中学校に出向き授業の一環としての衛生教育、又、教員・地域指導者を対象としたセミナーの開催、村での啓発劇の開催を継続しています。HIV/AIDSの啓発活動は継続中です。6月に他団体と共催でマラリア予防サッカー大会が開催され、CHCチームが優勝しました。
私は以前と同様、主に巡回医療チーム全体の管理を担当、週1回のミーティングと医学的なアドバイスがメインで、現場には月に2回ほど顔を出しています。
病院業務のウエートが上がってきています。
病院では、週1回「メタボリック外来」を継続中。糖尿病・高血圧・高脂血症をメインに脳梗塞・心筋梗塞後の患者を含めて総合的に診ています。バングラデシュで、これらの病気が多いのは意外に感じられるかも知れませんが、食習慣や一般的に運動不足となる環境などが大きく影響しているようです。
そのほかは、入院中の複雑症例のコンサルトと腹部エコー検査、他医師と回診、外来の時間を増やしています。医療廃棄物委員会は1回。一般廃棄物のアピールは2期目以降になりそうですが、モハムニでの健診の際、以前行った劇を上演する予定です。
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祈りの課題として前回同様以下の事を覚えて祈っていただけると幸いです。
(1)混乱した政局の中、人権を侵害されたり生活が脅かされたりする人がいること。
軍部主導と思われる極端な法遵守の政策により、住居を奪われたり、店の運営が困難になったりした人たちが多くいます。CHTでは、民族運動指導者への弾圧は続いているようですが、詳細は、なかなか伝わってきません。
(2)継続しているチッタゴン丘陵地帯での少数民族と入植者の対立が早く平和的解決に向かうように。
CHC付近では、比較的穏やかに見えるのですが、小さなぶつかり合いは日常的にみられる様です。軍が統制を強める一方、武力行使も視野にいれた反体勢政治グループも存在しているようです。
(3)地域医療プロジェクトについて
ゆっくりですが着実に進展しています。しかし、課題は多く、問題も頻繁に発生します。病院スッタフの負担が大きくなったことに伴い、不満は蓄積されています。
(4)医師・ナース他、医療者の病院内での活動について
JOCS奨学金で2年に渡り眼科の専門を勉強したプロビール医師の専門外来は資金難のため実現していません。若いスタッフナースが1名退職し、忙しさが増しています。
(5)付属看護専門学校に学ぶ看護学生たちについて
新しい制度で1年生が入学してきました。入学資格が引き上げられ女子学生数が減りました。学生たちは、金銭的負担(1ヶ月600TK)や寮生活における心理的負担、また食事への不満(確かに乏しい内容)などを抱えながら、頑張っています。
(6)病院内バプテスト教会に専任牧師が与えられ、CLC教会がより充実しますように
婦人家庭祈祷会が守られますように
病院内にはCLC(ハンセン氏病センター)付属の教会とCHCの教会の2つがあります。
CHCの教会は現在も無牧の状態で、教会員(長老)が礼拝を運営しています。
CHCでは婦人の家庭祈祷会が毎週日曜日の午後にもたれています。
字を読めない人のために讃美歌や聖書を使い「識字」のレッスンも兼ね集まります。
(7)貧困の為に奪われていく命について
CHCには畑野元バングラデシュワーカー夫妻が始められた治療のための救済基金(poor fund以下PF:日本ではlife riverという名前)があり多くの方が助けられています。
しかし、CHCでは給食制度はだいぶ前に廃止され、付き添いの人が用意しなければなりません。その食費や付き添い人の滞在費・交通費は、治療中断の大きな理由になってしまいます。(患者が働き手の場合は、入院中の収入はストップしてしまいます:職があっても日雇いの人が多いので)
(8)働きたくても職が与えられない人たち、お金のために命がけの仕事をする人たちを覚えて
バングラデシュは、中国・インドと並び世界で有数のタンカーなど大型船の廃船処理場があります。チッタゴンには「ヤード」と呼ばれる処理場があり、危険な仕事を強いられる労働者たちがたくさん存在します。彼等はたとえ事故でけがをしたり、亡くなっても十分な補償はされません。
(9)様々な理由のため、路上で生活する子供達について
チッタゴン市内にも目立ちますが、写真は空港で毎回会う子供たちです。
この子たちは親はいますが、学校には行かず毎日空港に来てペットボトル(1個1タカになる)を集めたり、「物乞い」をしています。
(10) サイクロンや洪水のために、様々な被害を受けた方々のために
最近は報道も減ってきましたが、慣れ親しんだ環境が破壊され、最愛の人たちを亡くし苦悩を背負って生きる人たちのことを覚えたいと思います。
(11) CHCでの私達の活動について
親友に近い関係を結べた職員も多くいる中、語学力の不足も原因して相互不理解や誤解を生んでいることも多くあります。CHCのトップダウンの制度の中で、私達には理不尽に思えることにも多々出会います。特に院長とは、今後さらにシェアーしていかなければならないでしょう。1期目の申し送りなど作業を開始します。
(12) JOCSの活動・職員・ワーカーについて
東京・関西事務局のスッタフ・ボランティア・会員の皆さん。全ワーカー。
タイ・バンコクでお世話をして下さっている河村夫妻のことを覚えて。
以上、よろしくお願いいたします。
(JOCS バングラデシュワーカー宮川眞一 08/07/25)
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