[ 現地報告 ]チャンドラゴーナを訪問して 田邉桃香 (2/2)
医療という手段を介して、日本から離れた地へ向かう人はたくさんいます。しかし、私は以前から、海外を目指すことに疑問を感じていました。日本の医療も数多くの問題を抱えているのに、なぜわざわざ外へ出て行くのだろう、と。
そんな折、現在タンザニアで活動されている、JOCSワーカーの清水範子さんとの出会いが与えられました。「少しでも心惹かれれば、とりあえず行ってみること」を信条としている私は、タンザニアを訪れました。
そこで初めて、いわゆる「国際保健」の現場を目にし、もっと学びたい、という気持ちになったのです。そして、今回のチャンドラゴーナ訪問に至ったというわけです。
貧しさゆえに医療を受けられないとか、医療の体制や設備が整っていないために命が失われていくのが現実です。バングラデシュがこのままで良いのかどうか。現実のほんの一部しか見聞きしていない私には分かりません。
ただ、軽い風邪でも病院を選んで治療を受ける日本の現状と比較して、ここが問題だとか、ここを改善すべきだというのは間違っていると思います。
今目の前にいる人がより良く生きるために必要なのは何か。目に見えるものなのか、見えないものなのか。そして、私にできることは何か。それが見つかるのは、私は何がしたいか、ではなく、その場でどのように存在するか、と考えるときではないでしょうか。その思いが、「小さくされた人々」と向き合うことへと繋がっていくのかもしれません。
しかしそれは、日本でも他の国でも、どこに身を置いたとしても同じことです。そこで、なぜ海外へ行くのかと考えたとき、「なぜ」という問いは必要ないのだろう、と今は思います。導かれる場所は日本もしれない、あるいは、海外かもしれない。それは、神さまの御心のままに、です。
そうして辿り着いた場所で、医療者としてどのように存在するかを考える人でありたいと思います。医療者として歩む道が示されますように、と祈りつつ、医学の道を歩んでいきます。
お忙しい中、今回の訪問を受け入れてくださった宮川先生に、心より御礼申し上げます。いろいろとお気遣い下さった理世さんにも感謝申し上げます。
また、皆さまのお祈りに支えられ、良き出会いと良き学びが与えられたことに感謝です。本当にありがとうございました。
チャンドラゴーナの人たちにまた会わせてください、そう祈っています。
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