[現地報告 〜自立を考える〜 1-2] 宮川眞一
ディポック氏は、私たちのベンガル語教師である。彼は20年以上のキャリアを持ち、その手法には定評がある。ダッカ大大学院卒のヒンズー教徒でリベラルな考え方を持った40代の紳士である。ある時、フリートークで教育がテーマとなった。彼は、自分で撮影し説明をしている録画ビデオを見せて言った。
「この私の村の学校は、私の友人が資材をなげうって経営しているのです。3人の先生を雇うのに、彼は学校で教えた後、毎日農作業をしています。
彼は自分の同級生でしたが教育半ばで学校を中退し、そのために苦労しました。そんな思いを郷里の子どもたちにさせたくないという思いから一人で学校を始めたのです。NGOにも頼らず、今では徐々に回りが理解を示しサポートをしてくれ始めているのです。」ビデオには、そんなに広くもなく仕切りすらない1つ教室に年齢の違った3つのクラスが同時間に授業をしている様子が映し出される。
「実は私も少しだけ関わっています。田舎に帰るのは年に1回ぐらいですが、去年は生徒に必要な教科書代の一部を自分が負担しました。もちろん、払えるだけは、生徒の親たちもがんばってはいるのですが・・。別に彼が頼んできたわけではないが、何か出来ないかと思ってね。今はこのくらいしかできないけれど。教室に仕切りは欲しいですよね。」もちろん公立校も地域にあるが、ここに限らずさまざまな問題を抱えている。
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