[ 現地報告 〜巡回医療について〜 ] 宮川眞一

村の家庭を回ってインタビューするBMW(巡回医療スタッフ) 村の家庭を回ってインタビューするBMW(巡回医療スタッフ) 明けましておめでとうございます。
 といってもイスラムの新年は4月で、今年の元旦はホルバニイードというムスリムの断食明けのお祭りと重なりました。
 昨年末、病院ではクリスマスの様々な催しが行われ一風変わった時を送りました。ただ、その頃から続いている御招待&食事に、最近は理世共々少し疲れ気味です。
 さて今回は巡回医療(モバイルクリニック:以下MC)についてお話します。様々な準備を経て昨年12月から始動しています。地域医療の現場では前回お話ししたBMW(保健師さんのするような仕事をする村の女性)が日常の医療相談にのったり、ある程度の薬を出したりし始めています。しかし、検査が必要な複雑症例は週1回程度訪問のMCが担います。
 医師1看護師2検査2薬剤2他BMWで構成され、現在は1ユニオン(行政区)地域2箇所に最低限の基材を持ち込み診療にあたっています。
 病院に近い地区から開始していますので何とか車で移動が可能ですが、今後予定されている地域は舟で移動の所もあります。それでも居住地区からは遠い所で2-3時間近くかかるそうです。
 チッタゴン丘陵地帯に住む人たちは構成民族も宗教も様々で、実施に先立って地域の各分野の指導者を病院に集め入念な説明会と協力要請を行いました。それは、このプロジェクトは病院が一方的に持ち込んだものではなく、地域のニーズに対応し、今後は地域が各々維持、継続努力していくものにしたいからです。
 私は現在全てのMCに参加して全体の指導管理、微力ながら診療にも当たっています。 長年未治療の慢性疾患も多く環境問題や経済問題とも絡んで納得のいく治療は、なかなか出来ません。しかし肺炎の早期発見で幼い命が助かったり、薬を飲み始めて楽になったという患者さんの話しを聞いたりすると救いを感じます。限界性を感じながらも、ゆっくり少しずつでも良くなればと思い日々働いています。 (「かしら石」福岡女学院教会広報誌『チャンドラ通信 第5報』)



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