[報告]第3回宮川眞一、理世さんを支える祈り会

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 皆様、お忙しい中、私達のことを覚えて集まっていただき本当にありがとうございました。
 最初にバングラの政局と私どもの近況をお話しいたします。
非常事態宣言が出された後、軍部主導と思われる極端な違法事項への処罰が続いておりましたが、最近は、その動きも少し落ち着いてきたように思えます。しかし、選挙の見通しは未だつかず、少し前に小規模ですがイスラム過激派によるとみられる同時爆破が起こりました。緊張状態は続いています。
 気候も、平年以上の暑い日が続き、先日チッタゴンでは40.6℃の観測史上最高気温を記録したそうです。そのため都市部では下痢患者が増えています。先月には大型のサイクロンがチッタゴン〜コックスバザール近づき肝を冷やしましたが、幸いそれてくれました。
 さて、理世は4月末に出産の為帰国し、その後順調に実家の長野で日本での生活を楽しみながら出産準備をしています。週に2回マタニティースイミングに通って体力をつけています。現在9ヶ月に入り、体重も私を抜いてしまいました。予定は7月24日で、今の所、出産後2ヶ月程度で子供と一緒にバングラに戻る予定にしています。
 私の方は、独身生活で多少寂しくしてはいますが、机につく時間が増えたためか、腰が痛くなってきたので、先日少し奮発してチッタゴンでイスを購入しました。まあ、なんとかやっています。今1番の楽しみは、チッタゴンの日本人会の方が回してくれる日本の半年―1年前の番組のDVDを見ることです。
 プロジェクトは、モバイルチーム(巡回医療チーム)は順調に、4地区6箇所のモバイルクリニックで定期診察を継続しています。BMW(2ヶ月のトレーニングを受けた村に住んで保健師のような仕事をする婦人;ヘルスワーカー)は、4地区全ての訓練が終了し、通常業務に移っています。
 BMWたちは、自分の住む村で簡単な医療相談に応じ、マラリアの検査、薬の配布を行っています。
 また、モバイルクリニック、国の予防接種にも協力しています。
 私は以前と同様、主に巡回医療チーム全体の管理を担当していますが、微力ながら診療にも加わっています。現在は病院の外来業務の時間を増やした為、週に1回ほどの参加になっています。
 診療の方は病院内では複雑症例のコンサルテーションを受け、現在は外来を主として診ています。
 毎日、帰宅前の病棟1人回診は継続中です。病院内システムの改善としては、これまできちんとしていなかった救急処置用の薬剤購入と病棟保管を終了。導入した心電図モニターの活用が徐々に定着してきました。医療廃棄物委員会では、病院内廃棄システムが一応定着したので、一般ゴミについて「行動変容」に向けたキャンペーンなどを話し合っています。月2回ほどですが、不定期に看護学校での特別講義を始めました。

祈りの課題として前回同様以下の事を覚えて祈っていただけると幸いです。
多少コメントを加えます。

(1)混乱した政局の中、人権を侵害されたり生活が脅かされたりする人がいること。
  病院関係の親戚でも、この間に不当逮捕された方がおられます。
(2)継続しているチッタゴン丘陵地帯での少数民族と入植者の対立が早く平和的解決に向かうように。
 最近は大きな紛争は報道されていませんが、日常的な対立は日々の緊張状態を増幅しているようにも思えます。CHC付近では、比較的穏やかに見えるのですが、内実は日常会話の端々に緊張状態を感じることも度々あります。
(3)病院で始まった地域医療プロジェクトについて
予定より大幅に遅れ気味ですが着実に進展しています。大家の意向で、あるクリニックが突然閉鎖に追い込まれたり、毎日いろいろな問題にぶつかっていますが、その都度、なんらかの道は示されています。
(4)医師・ナース他、医療者の病院内での活動について
 医師は、すべて少数民族出身者(内クリスチャン1名)です。ナースを含めCHC全体では活力が停滞しています。若手ナースに、よい働きをする人たちもいますが、さまざまな要素がからみあい、なかなか盛り上がりません。
(5)付属看護専門学校に学ぶ看護学生たちについて
 全国から現在約70名の学生が、学んでいます。経営難もあり、かつて無料であった学費も月500TK(約900円)を支払わなければなりません。経済的に苦しい学生も多くいます。
(6)病院内バプテスト教会に専任牧師が与えられますように
 病院内にはCLC(ハンセン氏病センター)付属の教会とCHCの教会の2つがあります。私は通常CHCの教会に出席し、月1回CLCの方に行っています。CLCの牧師は病院のチャプレンを兼ねていますが、院長との対立や本人の問題などもあり、病院内での役割は非常に限られています。CHCの教会は昨年の牧師辞任以降、無牧の状態で、教会員(長老)が礼拝を運営しています。
(7)貧困の為に奪われていく命について
  CHCには畑野元バングラデシュワーカーが始められた救済基金(poor fund:日本ではlife riverという名前)があり多くの方が助けられています。しかし、遠くから通ってくる患者さんの中には、交通費が出せなくて治療中断となったり、また、特別な治療が必要となり大学病院への受診を勧めても貧困のために支持的治療を継続するしかなかったりすることは日常的です。
(8)働きたくても職が与えられない人たちについて
 たとえMBAを持っていてもコネがなくては、なかなか就職できない。ましてや学歴もコネもない普通の人たちの就職は難しく、その子供達は優秀でも学業を放棄せざるおえないという悪循環が一般的です。一方、富の集中が起こりバングラ内の貧富格差は年々大きくなってきているようです。
(9)病気や少数であることを理由に差別されている人たちについて
 私が今病棟で長期に見ている女性患者は、夫に捨てられ精神疾患もあったせいか、近隣の心無い人から石を投げられ負傷、何日も放置された後、CHCに運び込まれました。
(10) JOCSの活動・職員・ワーカーについて
 大江総主事他、東京・関西事務局のスッタフ・ボランティア・会員の皆さん。ネパールワーカー楢戸健次郎さん・報告会中のカンボジアワーカー諏訪惠子さん・新期ワーカー山内章子(あやこ)さん、清水範子(なおこ)さん、青木盛(しげる)さん、短期ワーカー石田龍吉さんのことを覚えて。
以上、よろしくお願いいたします。                  

 (JOCS バングラデシュワーカー宮川眞一 07/06/08)


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